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スーツは季節に合わせた素材で選ぶ


スーツは春夏と秋冬で形が変わらず、半袖も短パンもありません。そのため季節に合わせて素材を変えて着用するのが一般的です。春夏生地はウーステッド=梳毛生地と呼ばれ、薄手で光沢が浮くような滑らかな表面感があります。ウールのほかにリネンやシルク、モヘアなど、しゃりっと硬く、通性に優れる清涼感ある素材が使われます。秋冬用の温かい生地はウーレン=紡毛生地と呼ばれる、肉厚で起毛感がある素材です。フランネルやツイードなどの織物や、カシミヤやアルパカ、キャメルなどの極細繊維の獣毛を使うことで密度の高い保温性のある素材が用いられます。季節感のある素材選びは、スーツの楽しみ方そのもの。春夏は強撚糸を使いシャリ感と光沢のある滑らかな生地で優雅に、秋冬は重厚な起毛素材で見るからにあたたかそうに装いたいものです。


英国素材とイタリア素材を着分ける

世界中にスーツ生地の産地がありますが、英国とイタリアはその二大産地と言われ、歴史と伝統ある生地メーカーがいくつもあります。18世紀後半からはじまった産業革命により、英国は世界で最も早く繊維産業が発展しました。英国生地はスコットランドとイングランドに細分されますが、一般的に繊維の太い英国羊毛を使った厚手で硬い、打ち込みの良い素材が多いとされます。発色もくすんだ天然色で渋みがあり、大人っぽい雰囲気のもの。ハリとコシが強いため、仕立て映えするとも言われ、堅牢で耐久性の高いスーツが仕上がります。

これに対してイタリア生地は、繊維が細くしなやかで滑らか。光沢が浮き上がるものも多く、ドレッシーな装いに向く素材が多いとされます。色柄も鮮やかで華やか。先進的な生地メーカーも多く、最新技術を導入する大規模な工場で世界中にスーツ生地を送り出しています。カシミヤを始めとする高級生地を手がけるメーカーが多いことから世界の生地庫と言われています。


代表的な生地の特徴を知っておく

季節ごとにおすすめの素材を知っておくと、スーツ選びが楽しくなります。クロゼットから選ぶ際も、季節に合わせて衣替えするためにも、基本的な素材は知っておきたいものです。

フランネル

フランネルは紡毛糸を使った厚手の生地で、表面を起毛させた秋冬用の素材です。スーツ地のフランネルは主にウールを用い、保温性にも優れてます。英国製のヴィンテージフランネルは厚手で目の詰まったものが多く、着こむほどやわらかくなり体に馴染みます。コットンのフランネルは「ネル」と呼ばれネルシャツなどに用いられます。


サキソニー

生地感はフランネルに似ていますが、秋冬用のスーツに使われることが多い、やや薄手で軽い織物です。ドイツのザクセン地方で織られていたことからこの名前がついたとされています。


モヘア

アンゴラ山羊の獣毛をモヘヤと言います。繊維が太く硬いことから、ハリとコシに優れ、通気性が高いため日本では春夏向きとされますが、欧米では通年着用される人気の素材です。繊維が長いため美しい光沢があり、ドレッシーな装いに相応しい素材です。

シルク

絹は蚕の繭からとれる繊維で、複数本を撚って糸にして使います。一本の繊維が1000mにも及ぶとされ、光沢がありしなやかで滑らかですが、耐久性が低くヘビーユースに向かないため、スーツ地ではウールなどと混紡して使うのが一般的です。

リネン

麻は天然繊維として古くから使われてきた素材です。一般的にリネンと呼びますが、ヘンプやカラムシなどの種類があります。さらりとしたドライタッチで、吸放湿性に優れ、春夏に相応しい素材ですが、シワになりやすいなどの特徴もあるため、きちんとケアする必要があります。


スーツ地は様々な名称、色、肌触りで一つ一つ全く違う風合いを楽しめる事ができます。


是非、着用する楽しみだけでなく、光沢や肌触り、歴史などの楽しみも興味を持って頂けるとよりスーツを楽しく着用頂けるでしょう!


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